ブッダの国・インド

大家族でよい人間をつくる

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人間の体をみてみましょう。頭も胴体も、手も足も、骨も内臓も、大きかろうが小さかろうが、それぞれが支え合い、つながり合っています。それで、ひとりの人間という世界をつくっています。
どの部分がすごいとか、どこがいちばん力がある、役に立っているということは、いえませんね。
それぞれが優れており、それぞれの持ち場で力を発揮しているのです。かけがえのない働きをしているのです。

人間社会も同じです。みんなそれぞれが、自分なりに力を発揮している。つながり合い支え合っているのです。
だから「自分こそが優れていて、力があるんだ。自分がなんでもできる」と思っている人は、どんなに優れていたとしても、よい人間ではありません。
インドの家庭では、自我を主張しないで、自分はひとつの役割であると自覚できる人間を育てようとします。そういう人間を育てるには、大家族制度が適しているのです。
そして、もっとも大切なことは、
──自分よりも神さまが大事、神さまが偉大なのだ──
と思うことなのです。インドの家庭は、そういう人間を育てようとしています。
自分よりも神さまが大事という気持ちがあれば、その他のことは、自然とうまくいくのです。人の役に立つ力が備わってくるのですから。

マルカス
アサヒトラベルサービス代表取締役・SBI大学院大学講師
インド・デリー生まれ。インド国立デリー大学卒。アサヒトラベルサービス設立。立川談志に入門し、立川談デリーとしても活躍。インド料理店・ブカラをオープン。著書に『インド流!マルカスが紹介するお釈迦様の国』(サンガ)。
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