誉【HOME-RU】高い評価を与える

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誉めるの旧漢字

“誉” の原字は “”。

“与” と “” と “言” の組み合わせである。

“与” は、牙の原字 “” と同形で、歯と歯が噛み合わさった形を表わし、
”の原字は “” で、両手を添えた二人が力を合わせ、物を持ち上げている姿。

ここから、善行や功績のあった人物を称え、皆で言葉を合わせて持ち上げることの意味となり、転じて「高い評価を与える」意となった。

“キラキラネーム”といわれる、近ごろの子への命名に、親の子に対する期待の希薄さを感じ得ない。昔の親は、付けた名前に込めた思いに反する行為を子がすれば真剣に叱り、適(かな)えば両親揃って称えてくれた。
そのようにして育まれた人格は、正に名は体を表わす。

叱ることは容易でも誉めることは難しい。

“誉める” 効果の大きさも、親は忘れてはならない。

書・文
樂篆家
髙橋 政巳(たかはし まさみ)
1947年、福島県生まれ。樂篆倶楽部主宰。刻字家。自身を樂篆家と称し、篆書をはじめとする書を通じ、文字のもつ歴史的意味や美しさの伝承に力を注ぐ。毎日展審査会員、NHK文化センター講師、日本刻字協会常任理事および審査員、会津欣刻会会長を務めた。主な著書に『感じの漢字』『感じる漢字』など。2015年没。
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