宗教学者 島田裕巳の“怒りの研究”

「怒り」の正体について考える

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だれもが「怒り」は、切実なテーマ

世の中には、怒りについての本があふれています。
一番多いのは、いかにして怒りをなくすのか、その方法を教えようとする本です。

たとえば、『「対人関係療法」の精神科医が教える「怒り」がスーッと消える本』(水島広子著)や『「しつこい怒り」が消えてなくなる本』(石原加受子著)といったものがあります。『怒り――心の炎の静め方』の著者は、ティク・ナット・ハンというベトナムの有名な僧侶です。国内外の宗教家が、怒りの鎮め方を伝授した本は、かなりの人気を集めています。

その一方で、『怒れない人は損をする!――人生を好転させる上手な怒りの伝え方』(片田珠美著)のように、上手な怒り方を教えてくれる本もあります。

ほかに、『怒りを笑顔に変える技術――言葉が変われば、あなたも成長出来る』(佐藤勝著)などというものもありますが、これはやはり、怒りをなくす方法を示そうとする本になっています。

このように、怒りをテーマにした本が、数多く出版されているということは、怒りの問題で悩み、苦しんでいる人が、世間には数多くいるということでしょう。

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