ブッダの国・インド

仏教を表すインドの国旗

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この紋章は、法輪を表しています。「輪」とは、古代インドの武器であるチャクラのことです。

煩悩を打ち砕く意味で、このチャクラが、お釈迦さまの教えのシンボルになりました。

そこから、お釈迦さまの教えを広めることを「転法輪」というようになったのです。お釈迦さまがサールナートで、かつて共に修行した仲間に初めて教えを説いたことを、「初転法輪」といいます。

法輪の輻の数は二十四本ありますが、「初転法輪」のときに説いた根本の二十四の教えを意味しています。

すなわち、お釈迦さまの教えの根本は、「四諦」「八正道」「十二因縁」に集約されますが、それらの教えの数を足すと、二十四になるのです。

「四諦」とは、苦を滅する四つの真理です。苦という真理、苦の原因という真理、苦の滅という真理、苦の滅を実現する道の四つです。

「八正道」とは、苦を滅して涅槃に至る八つの正しい道のことです。

「十二因縁」とは、苦しみの原因は無明より始まり老・死で終わるとされる、十二の因果の理法をいいます。

また、通貨や公文書にも表示されている国章(ナショナル・エンブレム)は、サールナートで出土した、アショカ王の建てた仏塔の獅子の像を原案にデザインされたものです。

このように、国旗をみても、インドにおいて、いかにお釈迦さまが尊敬され、仏教が大切にされているかがおわかりかと思います。

マルカス
アサヒトラベルサービス代表取締役・SBI大学院大学講師
インド・デリー生まれ。インド国立デリー大学卒。アサヒトラベルサービス設立。立川談志に入門し、立川談デリーとしても活躍。インド料理店・ブカラをオープン。著書に『インド流!マルカスが紹介するお釈迦様の国』(サンガ)。
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