対談

笑う門には福来る!心のエンジンに火を点けるために。落語家・林家たい平×フリーアナウンサー・魚住りえ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

笑顔が話し方もやわらかくする

たい平出演すると親が喜んでくれる。親孝行ができる『笑点』は、すごいですよね。

魚住あの厳格な父を大笑いさせる師匠方と、並んで出演されているたい平師匠を尊敬しています。

たい平いえいえ。魚住さんの話をお聞きして、仕事で疲れていたり、家ではほとんどしゃべらなかったりする父親が、寄席やテレビで落語を聞いているときには、それまで見たことのないような大笑いをしている。そんな父親の顔を家族が見られるというのは、とっても幸せなことなんじゃないかと思いましたね。

魚住そうですね。父の意外な一面というんでしょうか。楽しそうな姿を見ていると、子どもの私も自然に楽しくなりました。また、父は噺家さんの声に興味があったみたいで、誰々さんの声が好きだとか、ちょっとしゃがれているところがいいんだとか言っていました。父のそういうコメントがきっかけで、声と言葉を使って人前で表現する面白さを感じていたのかもしれません。私が現在の仕事をさせていただいている原点は、そこにあったのでしょうね。

たい平声や言葉といえば魚住さんは、2015年、話し方のご著書を出版されましたね。

魚住そうなんです。自分の声と話し方に自信がもてなくて、コミュニケーションで悩んでいる方に向けて書いた本です。着ている洋服でその人の印象が変わることと同じで、声と話し方で印象を良くも悪くもできると書いたんですね。相手に心地よく思ってもらえる話し方の第一歩として、大切なことはやはり笑顔をつくるということです。

たい平コミュニケーションのなかで、意識して笑顔をつくっていくということですね。

魚住おっしゃるとおりです。実は口角を上げて笑顔で話すと、音質がやわらかくなり、人がいちばん安心する音域といわれる3000ヘルツの周波数になるそうです。お母さんが赤ちゃんに思わず笑顔で話しかけるシーンを思い浮かべていただければわかるかと思います。電話のオペレーターも、お客様の応対をする際に、目の前に自分の子どもや、ペットの写真を置き、それを見ながら話すといいます。そうすることで口角が上がり、穏やかな声と話し方になるからだそうです。

たい平へえー、それが旦那さんの写真を置いて逆効果だったら困りますが(笑)。

魚住眉間にしわが寄るものだと困りますね(笑)。みなさん、体のトレーニングはよくされると思うんですが、笑顔をつくるトレーニングもするといいと思いますね。口角を上げてしゃべると、見ている人も気持ちよくなるので、親近感のもてるコミュニケーションが図れると思うんです。

たい平コミュニケーションといえば、最初にかける言葉も大切だと思います。ご主人との会話で、魚住さんが心がけていることはありますか?

魚住「おはよう」という挨拶と、「ありがとう」という言葉は、必ず相手の目を見て言うようにしています。「ありがとう」という言葉も口角が自然に上がる言葉なんですよね。「ありがとー」と語尾が上がるように、「あり」「がとう」とちゃんと母音も意識して発音する。一字一字、一音一音、ひらがなを思い浮かべながら挨拶をすると、周囲に与える印象が全然違うんですよね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る