ブックレビュー

【書評】「ロバのサイン会」著:吉野万理子

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ロバのサイン会

パピプー。セキセイインコである。パピプーは賢くて人間が考えていることを瞬時に理解する。飼い主の蓮くんとは大の仲良しだ。蓮くんは大学生でパピプーと暮らして4年になる。そのパピプーにも死が訪れる。

死が迫ってきてもパピプーは寂しさを感じない。なぜか。飼い主の蓮くんが自分との別れを悲しいと感じてくれているからだとパピプーは言う。

パピプーのほか、メスネコのリリアン、イルカのミント、イグアナのネムリン、ロバのウサウマらが八つのストーリーに登場する。彼らはみな饒舌で観察力も鋭い。時に彼らが話す言葉に意表をつかれドキッとする。人間の思いをつかむ達人だからだろう。

人間をはるかに超えた生き物たち物語。

ロバのサイン会
〈書籍情報〉
ロバのサイン会
著者:吉野万理子
出版社:光文社
定価:本体1,400円+税
発行日:2016年3月16日
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