ブックレビュー

【書評】受いれる 著:加島祥造

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もっと楽に生きられないものか。ものに応じ姿形を変える水のように――無為自然の生き方を示した老子の思想を加島さんは詩に託す。最愛の友を亡くした、その悲しみと向き合う営みとして綴りはじめたものである。

悲しみが深ければ深いほど、心も深く沈み込む。出口を求めてもがくけれど、もがけばもがくほど抜け出せなくなってしまう。そんなダメな自分をまるごと「受(うけ)いれてみたらどうなるか」。加島さんは気づく。「勇気が湧くよ。小さな自分なりの勇気がね」。

もがいたり、目を背けたりせずに「受いれる」ことで思ってもみなかった豊かな世界が見えてくる。新たな展開、人の気持ち、やわらかさ、人の愛、大きな自分、そして自分自身を生かす命のルール……。

〈書籍情報〉
受いれる
著者:加島祥造
出版社:小学館
定価:本体1,400円+税
発行日:2012年7月3日
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