ブッダの国・インド

人生の晩年に出家する人たち

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古来、インドには「四住期」(アーシュラマ)という規範になる生き方があります。
この人生を、「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」という四つの期間に分けています。

「学生期」……25歳くらいまでです。身体を健全にして学習する期間です。
「家住期」……25歳から50歳くらいまでです。結婚して働いて、子どもを育てます。子どものために、親のために、社会のために、みんなのために働く期間です。
「林住期」……50歳から75歳くらいまでです。子どもはすでに結婚しています。子どもたちの家族と同じ家に住みながら、家の権利と責任は子どもにまかせて隠居するのです。
「遊行期」……75歳くらいから死ぬまでです。すべてを捨てて無一物になって出家するのです。遊行して神さまのそばで暮らすのです。

人生の総決算、しめくくりに「遊行期」があるのです。なぜ人生の晩年に、遊行期があると思われますか?
それは、「この人生は死んで無になるのではない。死んでもまた次の生がある」という考えから来ているのです。だから、よき来世のためにも、晩年に心を清めておこうとするわけです。

いまのインドでも、実際にこういうふうに、晩年になって遊行する人がたくさんいます。

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