ブッダの国・インド

人々の心に生きる神

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インドは紀元前からのたいへん長い歴史があります。歴史の移り変わりのなかで、いまの日本のような状況にある時期を幾度も経てきています。

世界でトップクラスの力をもった時代もありました。また、イスラム勢力に占領されたり、イギリスの植民地にもなりました。

けれども、インドの本質は「変わらない」ということです。いつの時代でも、どんなことがあっても変わらない。人々の暮らしぶりは、長い歴史のなかでちっとも変わっていないのです。

また、自分たちを占領し奴隷のように扱ってきた人々に対して、憎悪や嫌悪の思いをいつまでもいだき続けることもありません。

どうしてでしょうか。それは人々の心には、つねに神さまがいるからです。「すべてのものごとは、神さまの決めたもの」という思いで生きているからです。

国が繁栄するのも衰退するのも、神さまのはからい。大きな自然災害が起きるのも神さまの御業だ、と思っています。

インドの人たちは「どんなにつらいことがあっても、神さまは私たちに何かを教えるために、そうなさっているんだ。何があっても、それは『大いなる宇宙=神のはからい』だ」と、考えています。

そういうことを、しっかりと心に収めていたら、どんなつらいことも乗り越えられるんですね。

マルカス
アサヒトラベルサービス代表取締役・SBI大学院大学講師
インド・デリー生まれ。インド国立デリー大学卒。アサヒトラベルサービス設立。立川談志に入門し、立川談デリーとしても活躍。インド料理店・ブカラをオープン。著書に『インド流!マルカスが紹介するお釈迦様の国』(サンガ)。
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