元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方

元ホームレス社長の運とご縁の引き寄せ方(21)

岸田昌幸(中小企業再生支援コンサルタント・学習塾オーナー&塾長)
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会社経営者だった岸田さんは
多額の持ち逃げに遭い、会社は倒産。
伴侶にも逃げられ、ホームレス生活を送り、
自殺一歩手前まで追い詰められたといいます。
現在は悩める経営者の支援と社会貢献に生きがいを見出す岸田さんが、
ホームレス生活から立ち直るまでと
「運とご縁の引き寄せ方」を赤裸々に語っていきます――。

これからが戦い

画像・AdobeStock

前回、詐欺に騙されたことをお話しました。私にとって詐欺に遭ったことは、大きな障壁となりました。貯めたお金でマンションを購入しようと思っていましたし、事業も拡大しようと考えていた矢先ですから。全てが振り出しに戻りました。今でも私を騙した会社は大阪市内に存在します。しかし、仕事の実態はありません。会社が維持できているのも、騙された多くの人からの出資金があるからなのです。

当然、弁護士にも相談しました。「それは典型的な詐欺師が使う手口だ。一回、持ち逃げ詐欺で痛い目に遭っているのに、どうして分からなかったのだ」と反対に指摘されました。返す言葉がありません。まだ救いなのは会長の居場所が分かっているということです。姿を眩ますと詐欺事件になるので、返金を引き延ばす口実を日々考えているのでしょう。

しかし、このまま放っておくつもりはありません。騙された金額は、私の汗の結晶の2500万円なのですから。できるだけ多くの証拠を集めて、会長に刑務所に逆戻りしてもらわないといけません。時系列で、いつどこで何を話したか、いついくらの金額をどこに振り込んだか・・・等々、弁護士の指示の元、証拠を固めているところです。

私の第2の人生のために必死で貯めた貯金を、笑いながら持っていった詐欺師を絶対に許しません。それがまかり通るような社会ではいけないのです。私のような被害を受ける人がまた出てくるからです。私の戦いは、ホームレスから抜け出して終わりではありません。始まったばかりなのです。自分自身の夢を叶えるためにも前を向いて人生に勝たないといけないのです。

「こけたら立ちなはれ」とは、松下電器産業(現パナソニック)の創業者で「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏の言葉。今、その言葉の重みが分かった気がします。私も何度こけても立ち上がって、前を見つめて一歩一歩、進んでいきたいと思っています。最後に笑える人生のためにも!!

(次週に続く)

岸田昌幸(きしだ まさゆき)
大阪府生まれ。大学卒業後、広告代理店に就職。その3年後、独立しデザイナーとして起業。その後、事業拡大に伴い、法人化し、広告代理業、店舗・モデルハウス・展示会等、プロデュース部門を立ち上げる。大阪本社・東京支社・北米カナダ支社を設立。23年間、経営者として事業展開。しかし、会社で多額な持ち逃げ詐欺に遭い、全てを失いホームレス生活に。そこから這い上がり、自分のように苦しんでいる人を助けたいという思いから、自らが積み重ねた経営者の経験を活かし、中小企業再生支援コンサルタントとして活動。業種・業態を問わず、講演会・クライアントへの指導を通じて、成功に導くための方法論を体系化し、成果を上げている。2018年には日本の教育の向上と地元への貢献を考え、小・中学生対象の学習塾を開校。モットーは、「日本を元気に!」
岸田さんのブログ
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