悩み相談

「夫は望むのですが、私は二人目の子どもが欲しいのかどうかわかりません」 答える人:プラユキ・ナラテボー

プラユキ・ナラテボー
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【編集部注】「仏教的カウンセリング」では当ダーナネット編集部が公募した「悩み相談」に解答をしていただいております。ご相談者の許可のもと編集の上で掲載しています。ご本人の希望で名前は匿名とさせていただきます。
同い年の夫と小学1年生になる娘が一人います。
夫からはずっと二人目の子どもが欲しいと言われ続けてきましたが、子育てがとても大変で、ずっと、まだそんな気持ちになれないと断ってきました。娘が大きくなってきて手がかからなくなり、娘も赤ちゃんが欲しい、妹が欲しいと兄弟への憧れを頻繁に言っていたので、もう一人いてもいいかなと思うようになりました。そして、昨年子作りにトライし2回妊娠、どちらも初期に流産しました。
夫は娘の将来を心配して、何かあった時に助け合う兄弟が絶対に必要と強い思いを持っており、また子作りをしたいようです。私は正直、もう一人子どもが欲しいかどうかよくわかりません。年齢的にもう難しいのではと、また流産するのではと不安でなりません。
夫が私の気持ちより、娘のためなんだからと自分の気持を優先させることにもがっかりしてしまいます。夫は体外受精でもいい、私が無理なら養子でもと言うのですが、全く気持ちがついていきません。私は二人目の子どもが欲しいのかどうか、どうしたらはっきりとわかるのでしょうか?

質問者:まるこ

「内面に向き合うにあたっては、私の指導している気づきの瞑想がお役に立つかもしれませんね」by ナラテボー

作画・鈴木勝美(ざぼん)

「二人目の子供が欲しいのかどうか、自分の気持ちがわからない」ということですね。常識的に考えれば、自分の気持ちなんだから自分が一番よくわかっているはず、と言えそうですが、私の個人面談でも、最近、まるこさんのように「自分の気持ちがわからない」と訴える人が増えているように感じます。

特に子どもの頃から、親が「あれしなさい、これしなさい」と過度に干渉してきて、そのため日常の些細な決め事から、進学や就職、結婚という人生の重大な選択に至るまで、「自分で考えて自分で決める」ことを許されず、親の意向に沿って決めてきたという人に「自分の気持ちがわからない」と訴える人が多いように思います。

まるこさんのメッセージからも、娘さんの気持ちや旦那さんの意向ばかりがクローズアップされて、肝心の自分の素直な気持ちをまるこさん自身が感じ取ってあげられず、それゆえに迷い、混乱している様子が伝わってきました。

私思うに、このまま娘さんや旦那さんの気持ちや意向にしたがって子作りに再トライし、たとえ子供を授かったとしても、子育てをやりきれるかどうか心配です。自分の意志ではっきりと決断しないと、「娘や旦那のせいで自分が犠牲になって子育てをやらされている」との思いが募り、子育てに気持ちがこもらなくなる可能性があるからです。さらには子育てに気持ちが乗らない自分に「母親失格」とのレッテルを貼って、苦悩を深めていくといったケースもあります。最近注目されている「産後うつ」の一部にも、そうした背景があるようです。

そこでまるこさんにお勧めしたいことは、まずは自分自身の内面にしっかりと向き合い、心の声にじっくりと耳を傾けること。そして、そこで聞きとった自分の心の声を信頼し、素直にその気持ちを旦那さんや娘さんに伝えることです。内面に向き合うにあたっては、私の指導している気づきの瞑想がお役に立つかもしれませんね。

子どもを身ごもって十月十日を過ごすこと、出産の苦しみ、子育て、いずれも精神的、肉体的にも相当な負担がかかりますよね。旦那さんや娘さんにそれを百パーセント理解してもらうのは難しいかもしれませんが、それでもしっかりと伝えておくこと。そして、不安に襲われた時にしっかりと受け止めてもらえるか、子育てに手を借りたい時にちゃんとサポートしてもらえるかどうかなど確認しておくことも大事ではないかと思います。

このように自分の心の声を聞き、それをしっかりと家族に伝え、家族みんなが一致団結して協力していくという確認が取れたら、そこでもう一度心の声に耳を傾けてみましょう。それで「旦那や娘が言うから」ではなくて、あくまでも自分の気持ちとして「子どもを作りたい」ということであれば、再トライするのもよいでしょうし、「もう一人で十分」ということであれば、それもまたよろしいかと思います。世間には一人っ子で活躍している人はたくさんいます。「娘の将来のために、助け合う兄弟が絶対に必要」ということは決してないですから、心配ご無用ですよ。

このように、自分の気持ちをはっきりと感じ取って家族にしっかりと伝え、その上での選択であれば、それが子作り再トライであれ、子作り断念であれ、きっとまるこさん自身も納得がいくこととなり、また今後も自分の人生の主人公となって、自らを拠り所にして迷うことなく、自信を持って主体的に生きていけることと思います。応援しています!

プラユキ・ナラテボー

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プラユキ・ナラテボー
1962年、埼玉県生まれ。上智大学哲学科卒業。大学在学中よりボランティアやNGO活動に深く関わる。
タイのチュラロンコン大学大学院に留学し、農村開発におけるタイ僧侶の役割を研究。1988年、瞑想指導者として有名なルアンポー・カムキアン師のもとにて出家。以後、自身の修行のかたわら、村人のために物心両面の幸せをめざす開発僧として活動。またブッダの教えをベースにした心理療法的アプローチにも取り組み、医師や看護師、理学療養士など医療従事者のためのリトリート(瞑想合宿)がスカトー寺で定期的に開催されている。
近年は、心や身体に問題を抱えた人や、自己を見つめたいとスカトー寺を訪れる日本人も増え、ブッダの教えをもとにしたサポートを行っている。日本にも毎年招かれ、各地の大学や寺院での講演、ワークショップから、有志による瞑想会まで、盛況のうちに開催されている。

プラユキ・ナラテボー師 よき縁ネット https://blog.goo.ne.jp/yokienn
〈書籍情報〉
「気づきの瞑想」を生きる タイで出家した日本人僧の物語
著者:プラユキ・ナラテボー
出版社:佼成出版社
定価:本体1,800円+税
発行日:2009年8月
〈書籍情報〉
「気づきの瞑想」で得た苦しまない生き方
著者:カンポン・トーンブンヌム
監訳:プラユキ・ナラテボー
出版社:佼成出版社
定価:本体1,400円+税
発行日:2007年11月
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